九州保育三団体、「少子化対策特別部会第1次報告に対する意見書」を表明
平成21年8月17日、九州保育三団体の合同会議が福岡市都ホテルで開催されました。
「少子化対策特別部会第1次報告に対する意見書」を議題として、九州各県より36名の各団体役員が出席いたしました。宮崎県では、井之上隆潤理事長をはじめとして横山槇子副理事長(保協担当)・橋口昌也副理事長(日保協担当)・黒木正司常務理事(平川英輔私保連担当副理事長、代理)の4名が出席しました。
会議では、全員一致で、9月1日に九州の各三団体の長と各県(市)代表1名、計10名が全私保連保育会館に集結し、意見書を表明することが決議されました。
その後、全私保連⇒全保協⇒日保協⇒厚労省の順に提出することになっています。
平成21年8月17日
少子化対策特別部会第1次報告に対する意見書
九社連保育協議会会長:佐藤 成己
九州私立保育園連盟会長:橘原 淳信
日本保育協会九州地区連合会会長:永野 繁登
保育三団体におかれましては、日頃より保育事業の推進に多大なるご尽力を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、九州保育三団体は、平成21年2月24日に少子化対策特別部会より出された第1次報告について意見を次のように表明します。
- 保育の必要性等の判断について
(1)「保育に欠ける」という用語の見直しについて
保育に欠ける児童を預かることこそが、保育所が福祉施設たるゆえんであり、「保育に欠ける」という表現を削ることには反対です。
保育に欠ける児童に対する保育所保育指針に基づく保育(福祉としての保育)と、その他の一時預かり等の子育て支援サービスとは別立ての制度体系とし、保育を必要とするすべての子どもが必要な保育や子育て支援サービスの提供を受けられる仕組みとすべきです。
(2)「利用者ごとに、保障上限量(時間)を、例えば週当たり2〜3区分程度を月単位で判断する。」とされていますが、その内容を詳細に示す資料を早急に提示して頂くとともに、保育所における子どもの生活の連続性等を重視し2〜3区分については対象を短時間利用者に限定するなどしてより慎重に検討すべきです。
- 保育の提供の仕組みについて
市町村が、保育の実施主体であり、かつ保育の実施責任を負うことを児童福祉法に明確に規定するとともに、児童福祉法第24条の修正に関しては、例外規定に限定すべきです。また入所希望者に対して受け入れ保育所がない場合における市町村の公的責任をこれまで以上に明確にすべきです。
- 参入の仕組みについて
(1)指定制導入については、保育の質と安定した供給体制の確保の観点から断固反対します。
(2)施設整備費(減価償却費)相当額の運営費上乗せは、社会福祉の崩壊につながるので断固反対します。
(3)運営費の使途制限は保育の質の観点から現行制度を維持すべきです。また、株式配当についても、運営費が税金であることに鑑み、断固反対します。
- 費用の支払い方法について
市町村が保育の実施主体として、保育を現物で給付する現行の保育制度を堅持すべきであり、保育費用の代理受領や利用料の徴収を保育所が行うという現金給付制度への移行は、絶対に認められません。
また定員別保育単価(月額単価)は今日の保育制度の根幹をなすものであり、堅持すべきです。公定価格を設定するとはいえ、保育料の保護者負担分を応能負担から応益負担に切り替える直接契約・直接補助には断固反対します。
- 保育の質の具体的な向上については、早急な実施を要望します。
- 今後の検討
(1)応能負担の堅持を追加して下さい。
(2)小規模園の定員定額制の導入はかならず実現すべきです。
(3)保育料の軽減(緩和)を実現すべきです。
(4)保育時間(8時間)と開所時間(11時間)の乖離の問題を解消すべきです。
(5)障害児保育が一般財源化されていることからくる市町村の取組格差の問題を解消すべきです。
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